NHKの筋肉体操がネットで評判です
私も見て面白いと思いました
あるTV番組で筋肉を意識しながら
筋トレ(スロトレ)をすると、その筋肉が
効果的につくという説明を聞きました
太極拳も同じだと前から思っていましたから
やはりそうかと思いました
僕なりの用意不用力についての理解です
傅清泉先生の指導する伝統楊式太極拳では
足腰(ウエスト)手の順で体重を乗せながら
動作を行います
前足だけでなく、ウエストや手の動作でも
ウエスト周りの筋肉や肩甲骨周りの筋肉を
意識して動作を行うことで体に感じる感じが
どんどん変わってきます
大腰筋や腸腰筋も効果的に使われるようです
動きが柔らかくなるのと同時に
筋力もついてきます
次の動作に移る時も、体重がかかった足に
さらに体重をかけながら次の動作に移ります
足の筋肉の痛みを感じながら動きます
まさにスロトレです
そこで太極拳をもっと理解するためにも
最近のトレーニング理論を少し
勉強してみたいと思い、運動生理学やスポーツ科学を
キーワードにしてアマゾンで古本を漁りました
古本の運動生理学の教科書を2冊を買い、ついでに検索に引っかかった、
石井直方東大教授の本
「究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり」
も買いました
古本価格66円(石井さん、古本買ってごめんなさい)
あまり期待しないで、読んでみました
とても面白い
10年ほど前の本ですが、最新の研究成果を引用しながら
筋トレに関係する話が書いてあります
石井さんは若い頃にボディービルの全日本チャンピオンに
なられた実践派なのだそうです
その実践派の体験に裏打ちされた研究の成果が
述べられているようです
特に面白かったのは「スロトレ」です
普通の筋トレは最大の筋力の6から8割くらいの力で
10回くらい行なわないと効果がないそうです
しかし、スロトレは3割の力でゆっくりと
しかも長い時間継続して運動を行うことで
同程度の効果があるそうです
これは太極拳に似ているなと思いました
そこでもう少し最近のものはないかと
youtubeの動画を調べてみると
東大駒場での講演ビデオが見つかりました
これもなかなか面白い
本では触れられていない話もありました
石井さんの動画を検索すると
近畿大学の谷本道哉准教授のビデオも引っかかってきました
NHKの筋肉体操を監修している方です
最近テレビにもよく出られています
失礼ながら、これもあまり期待しないで
見てみましたら、とても面白いかったです
なんと谷本さんは石井さんの大学院生だったそうで
博士課程に在学しているときに、石井さんの指導のもとで
「スロトレ」を研究して、共著で論文や本も書いたそうです
しかも、出身大学は阪大工学部で構造力学を学び
それを生かして研究を発展させているようです
そうした工学的な知識からか
谷本さんのお話には、筋肉と深く関係する
関節の話も出てきました
関節には血管が流れていないので
再生は難しく丁寧に使う必要があることを
ご自分の体験を紹介しながら述べていました
ある程度は筋力で関節をカバーできるが極端に酷使しては
いけないそうです
関節をよく使うことによって関節を取り巻く
筋肉が発達し、関節包の中の分泌物が増加して
関節にも良いそうです
普通の筋トレでは関節に負荷をかけすぎないように
気をつけなかればいけませんが
スロトレはこうした関節をいたわって使う点でも
良いそうです
スロトレの姿勢もたいせつです
傅先生の伝統楊式太極拳はゆっくりと動きながら
しかも十分負荷をかけるようにしているので
この点でもうまくバランスをとっているように思います
激しい動きがない理由も関節を
大切にしているからなのでしょう
激しい動きの方は刀や剣で行います
こちらの方では武器を持つことで
発勁した力を武器に逃すことができ
関節への負担を減らしているようです。
谷本さんは阪大工学部、
石井さんは、東大理学部生物学科と、それぞれ
出身学部が研究のバックボーンになっているのが
お話しから伺えて大変面白いです
谷本さんは阪大工学部、
石井さんは、東大理学部生物学科と、それぞれ
出身学部が研究のバックボーンになっているのが
お話しから伺えて大変面白いです