2018年11月7日水曜日

動中求静について

動中求静は太極拳十要の中でもわかりにくいものです
色々な解説がネット上にあります
中には精神的なことという説明があったりします
それは間違っていないと思いますが
他の太極十要が動作に関するものなのに
最後のものがそうではないのは
少し変な感じがしています
やはり動作に関する内容もあるのではないかと思ってしまいます


最近思っている動中求静について
ここ3年ほど毎日85式を1−2回続けていて
強く感じていることを書いてみます

動中求静は、楊式太極拳の動作の中で
動く際に動いていないところを
しっかり作ることを意識するということを
言っているのではと思うように
なってきました

例えば、白鶴亮翅から左摟膝拗步への移行では
右足に体重を乗せたまま、一連の動作を行なって
左足を持ち上げてかかとをつくまで
ずっと右足に体重を乗せ続けます
この時、右足にしっかり座るように
体の軸がずれないように
堤丹を意識することが大切になります

これは結構難しく、
今までより、姿勢を少し低くするだけで、
僕にはさらに難しくなります
まさに、動きの中に動かないところを探す感じです

日本語の静には様々な意味がありますが
傅鍾文の伝統楊式太極拳のテキストの英語版では
動中求静は簡単に
seek stillness in motion
と訳されています
意味としては「動きの中にstillnessを探す」です
stillnessはとどまっていることを意味します
英訳した人は、太極拳の経験があり
傅鍾文の息子で傅清泉の父である
傅声遠とも交流のある中国系のアメリカ人のようです
彼が、
quietやsilentではなくstillnessを選んでいるのは
理由があるような気がします

まあ、そうかなと思っているだけですが

2 件のコメント:

  1. 最近 太極拳24式の稽古の壁に当たり悩んでおりましたところ、すばらしいご説明に接し目から鱗が落ちたようです。英語の翻訳でも老師の意味するところがよく理解できました。謝謝

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    1. 今池のTeddyさん コメントありがとうございます。
      お役に立てて大変嬉しいです。
      このブログは伝統楊式太極拳に関するものですが、
      24式とも共通するところがありますので、
      他のものも読んでみてください。

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