2022年2月16日水曜日

太極拳と人間の脳

 太極拳を練習しているときに少し考えた人間の脳についての考えです。

人間の脳は、人類が生き延びるために必要な能力が備わっていると

考えられます。 

脳の優れた能力の一つとして物事の変化に敏感であるということがあると思います。

例えば、周りの様子でどこかに変化があれば、そこに猛獣が潜んでいる、あるいは

山崩れの前兆であるとか

それに敏感に気づくことは人類が生き延びるのに必要な能力だったような気がします

つまり人間の脳は変化にとても敏感だと思います

ところが、その変化があっても何事も起こらず、

ずっと変化しないとなると、それは気にしなくてもいいことになります。

それで、人間は飽きやすいとか、三日坊主になりがちになります

こうならないためには、脳のもう一つの能力の出番です

つまり、今やっていることの意味を良く理解して

出来たことに目を向けて、それを伸ばすことを

良く考えることです

そのためには、今やっていることについて良く

学ぶ必要があります

太極拳の場合は、その太極拳に

学ぶべき内容がある必要があります

傅清泉先生が教えている伝統楊式太極拳は

そうした内容が豊富です

しかも、動作が科学的で体中の筋肉が

相互に連関するようになっていきます

飽きない、しかも自分を育てることができる

太極拳です









2022年2月5日土曜日

傅鐘文の本の推手の覚え書き

 推手(四正手)のやり方が、よく見る推手対練套路の動画と

有名な傅鐘文の本

Mastering Yang Style Taijiquan (English Edition) 

とで、少し違うので

傅鍾文の本のやり方を書いておきます


四正手は掤(ポン)、捋(リュー)、擠(ジー)、按(アン)

を行うものです

二人で行うのですが

交互の動作で掤(ポン)、捋(リュー)、擠(ジー)、按(アン)

を繰り返します


まず、互いに右足前の姿勢で立ち

左手は相手の左手と互いに手の甲で接触します

右手は相手の左手の肘に

塔手です


二人をAとBと呼びます

まずAは、左手を内旋して、Bの左手前腕を水平にして両手で(アン)します

按は、両手で前に押します

体重は前足に移動します

Bは、Aのを左手で掤の動作で受けます

体は押されて体重は後ろへ移動し、

後ろ足で体重を支えられるようになったら

ウエストを左へ回しながら捋の

動作を行います

最後に、左手は内旋、右手は外旋します

Aは、Bの捋(リュー)に対して

右手を肘から離して、左手の内側につけ擠(ジー)で

さらに押します

Bは、これに対して、右手を内旋させて

按(アン)でAの擠(ジー)を受けて押し返します

Aは押し返えされながら、右手を外旋させながら

右手を掤(ポン)の形にして

Bの按(アン)を受けます

Aは、受けながら左手を相手の右肘にあてます

これで初めの動作と立場が入れ替わりました

これ以降、Aは掤から捋に移っていきます

以下、一連の動作を交互に繰り返します


この本の説明は、手を回すというより

相手の按(アン)を掤(ポン)で受け、捋(リュー)でかわし、

それに対して相手は擠(ジー)で追撃するが、

こちらは按(アン)で反撃する

とまとめられ、掤(ポン)、捋(リュー)、擠(ジー)、按(アン)

が相互の動作で行われるとまとめられます


傅鐘文の本は、太極拳の教本として

国際的に高い評価を得ています

ここに書いた推手のやり方は、

楊澄甫の本

The Essence and Applications of Taijiquan (English Edition) Kindle版 

英語版    Chengfu Yang  (著), Louis Swaim  (翻訳)

に書かれているものと同じです