2021年12月5日日曜日

17倒攆猴から18斜飛式

 倒攆猴から斜飛式です

斜飛式は相手に右肩から体当たりし

さらに右腕を使って相手にダメージを与えます

具体的な動作は以下です

右手前の倒攆猴からです

左足体重の虚歩です

まず、肩から当たる準備をします

ウエストを左に捻りながら

右手を外旋しながらゆっくり下ろし

左手は内旋しながら持ち上げ

体の前で両手を左手は顔の右側へ、手のひら右向き

右手は左股関節の前に持ってきて、手のひら上向にします

つぎに、相手に肩から当たっていきます

右足を持ち上げ

左股関節を軸に、骨盤を右に回していきます

この動きは、“転胯”(ツァンクワ)と言います

さらに右股関節の足を右に開いて(開胯です)

踵を地面につけて、体重を右足に移動し

弓歩になります

弓歩の方向は、 倒攆猴の方向から右回りで直角の方向です

この時、顔は、 倒攆猴の時の方向を向いたままです

イメージは右肩から体当たりをしてます

左手は、顔への相手攻撃を防いでいます

次に、体重が右足に乗ったら

左足の踵を軸に爪先を右に回し、

同時に、両手を開いて右手は、肩甲骨から回して、

手のひら上で弓歩の方向へ、相手のこめかみの

高さくらいまで伸ばして、手のひらは少し斜めに、

左手は体の左側へおろし、左の股関節の横に持っていき

虎口は弓歩の方向にします

顔は弓歩の方向です

これで斜飛式の完成です


斜めの意味は右手の軌跡が左から右へ

斜めの軌跡になるからだそうです


技のイメージは、 倒攆猴でダメージを与えた

相手とは別の相手が右側にいて、こちらに

攻撃しようとしているのに対して

カオで攻撃し、その時、相手の左足の左側に

自分の右足がくるように足をつけることで

動きにくくし、さらに左手で

相手の右腕をとり、右手を回すことで

相手の体を倒してしまうと

イメージすると良いと思います




2021年7月18日日曜日

丹田について

 太極拳を行っているみなさんは、

丹田に注意していると思います

今日は、丹田について考えたことを

少しお話しします


丹田は、へその少し下にあるものを普通指します

この丹田については、以前のブログで何回か

書きましたので、興味がありましたら

読んでください


このへその下にある丹田を下丹田と呼び

それ以外に二つ上丹田と中丹田と

言う場合があります

上丹田は頭蓋骨の中で両目の間の奥あたり

中丹田は胸の中で胃の少し上あたりのようです

これらは、それぞれ

下丹田が体全体の重心

中丹田が上半身の重心

上丹田が頭の重心と考えると良いと思います


予備勢、虚歩や分脚、蹬脚などで

この三つが、真上から見て揃っていて

両足間あるいは片足のカカトと爪先の間の上に

正しくのっている感覚が体のバランスにとって

大事だと思います

それを意識して、套路を練習するのが

大切だと感じています

ただ、機械的に、いつもそうするわけでは

ないことにも注意しましょう

上半身をいつも直立させて

命門が潰れては本末転倒ですから


2021年6月14日月曜日

中臀筋と膝の安定、膝痛予防

 伝統楊式太極拳を練習するようになってから

中臀筋が発達するようになりました

お尻の両側の凹みより少し高い位置で

盛り上がっている筋肉です

それが、若い時と比べても盛り上がってます


先日、ランニングについてのテレビ番組を見ていたら

中臀筋を鍛えることが、ランニングの着地で、

膝が内側にはいらないようにする上で重要だと

いうお話がありました


中臀筋を鍛えることで

膝が安定して、膝痛を予防するのです

爪先と踵と膝と股関節が、前から見て揃う

ようになるのです


太極拳でも、弓歩や虚歩などの動作で膝が内側にはいらない

ようにすることが膝を痛めないようにするために大切です

そのためには、この番組によると

単に姿勢を注意するだけでなく

中臀筋を鍛えることも大切のようです

伝統楊式太極拳では、開クワの動作で

中臀筋が鍛えられます

伝統楊式太極拳が膝に良い理由の

ひとつがこれなのでしょう

残念ながら制定拳には、

開クワのような動作がありません

姿勢を注意しろと指摘されるだけです

優れた指導者は、その点をカバーする指導をしているのだとは思いますが




2021年6月13日日曜日

16肘底看捶から17倒攆猴

 肘底看捶から倒攆猴です

右足荷重の虚歩の姿勢からです

左足は踵をついてます

倒攆猴は、片方の手を握った相手に対して

逃げる様子を見せて、逆に相手の腕をひねって

バランスを崩して反撃する技です

以下具体的な動作です

左肘の下においた拳を手のひらにして

手のひら上で、手の甲を下に右腰の横まで降ろします

肘は少し伸ばし気味にします

手の甲で下を押さえるような感じです

次に、右手を手のひら下にしながら

右斜め後ろに伸ばし、

目はその右手を見ます

左手は、手のひら下で前方へ伸ばします

ティータンの姿勢を保ったまま、右足の股関節に

体重をのせ、右手は手のひら下のまま前腕を折りたたみ

左足を持ち上げます

次に、左足を斜め後ろやや左へ伸ばします

そして、右の股関節を軸に左へ少し体を回して

(この時右足の股関節から下の形が崩れないように

します)

左足の爪先から床につけて、

ゆっくり体重を左足にのせていきます

視線は、この動作の初めの方向になります

体重を左足に乗せたら

右足の爪先を上げ

右足の踵をつけたままクワを閉じながら

左手は外旋しながら

手の甲から下におろし

右手は掌にして前方に伸ばします

両足の間隔が、片足の横幅くらい取れているように

します

左足体重の虚歩です

重心はほぼ左足ですが、

右足のカカトで、体を

支えている感じが大切です

以上が倒攆猴です

以下、これを左右合わせて5回繰り返します

バランスのむずかしい動作です

体幹を鍛えます


動作としては、相手に左手首を掴まれたのに

対して、左手を外旋させながら下に降ろすことで

相手の姿勢を崩して、同時に右手の掌で

相手のアゴや鼻などに反撃します

右手の掌で、しっかり相手を押し返せる

姿勢を作る必要があります





2021年5月6日木曜日

伝統楊式85式太極拳の第二段の特徴

 第二段は、第一段と違う特徴があります

第一段は比較的直線上を動いていました

基本的な動作が散りばめられています

第二段は、分脚や登脚が多いとか難しい動作が多いです

さらに、胯(クワ)を軸に体の方向を変える動作が

多くなります

これがかなり難しい

抱虎帰山、肘底看捶、攆猴、斜飛式などです

これらでは、ウエストとともにクワを、そして

大臀筋や中臀筋を使います

逆にそれを意識して行うと

これらの筋肉や体幹を効果的に鍛えることができます


体の向きを表すのに東西南北を使う

中国式のやり方では

最初の正面は南としています

これに従うと、第一段は主に西と東へ技を使います

提手上勢が例外です

それに対して、第二段は北西、南東、北東、南西

と向かう技が多くあります

その際、方向転換を行うのです

例えば、南から北西へ向かう抱虎帰山では

左のクワに体重を乗せて、ウエストを左に回し

つぎに、左クワを右に回します

開クワの動作を、左足つま先を地面につけたまま

行い左クワを回すのです

この時、体幹が鍛えられると同時に

大臀筋、中臀筋が鍛えられます

そのことをよく意識して行うのが大切です


肘底看捶、攆猴などでも同様な

動きがあります

三段目になりますが

玉女穿梭も同様な

方向転換をします


難しいですが、体幹を

鍛える動きです





2021年2月18日木曜日

太極養生功十三勢は単なる準備運動ではない

 太極養生功十三勢は、傅清泉先生の講習会で

教わったものです。

講習会の初めに行うので

準備運動の意味もあります

養生功の紹介は以前しました


ポイントは、養生功を準備運動の一つと

思わないことです

普通、準備運動は体がほぐれるとか

温まるとかを目安にしがちです

あるいはストレッチするとか

それはそれで良いのですが

その場合、養生功としては不十分になりがちです


養生功にはもっと大切な内容が

あります

つまり体を養生すると言うものです


具体的には、

体の能力を伸ばすように行うことと

体の能力がどれほど伸ばされているかを

確かめることです


基本的な動きの中で筋肉と筋を良く伸ばすようにします

これが筋肉を強くしなやかにすると思います

そのためには動作の回数をキチンと行う必要があります

養生功で決められている回数を行う必要があります

また十分行うことで体の中の循環や血行が

よくなる気がします

そのような変化を感じられるよう注意深く

行うと良いと思います

これが体の能力を伸ばすと言う意味です


同時に動作を行う中で

自分の体がどれくらい動けるように

なったのかも感じることができます

例えば肩を回す動きでは

初めは小さかった動きが

十分大きくできるようになった

それに伴い肩の動きで

体の様々な部分がつながるように

動くのを感じられるようになるのです


少しづつ成長できる、そう言う内容を

養生功と伝統楊式太極拳は持っていると思います

そこに目を向けることが大切です





2021年2月10日水曜日

体幹を鍛える伝統楊式太極拳

 伝統楊式太極拳を毎日行うことで

生ずる体に良いことについて

これまで、いろいろ書いてきました。

今回は、伝統楊式太極拳の中で

弓歩を作りながら体重移動する動作と

体幹との関係についてです。

弓歩を作りながら体重移動する動作は

太極拳にたくさんあります。

たとえば、摟膝拗步です。

細かい動作の説明は以前

しましたので、それを

見てください。

傅清泉先生が指導する伝統楊式太極拳では、

まず体重移動して弓歩を作り、

次にウエストをひねって、

最後に手の動作を続けます。

この動きで大切なことは

ウエストの動作と手の動作の間、

弓歩の前足全体を踏み付けながら

行うことです。

しかも、骨盤は進行方向に対して斜めに保ちながら

行います。

この一連の動作によって、体幹が鍛えられると

感じられるようになってきます。

丹田に力を入れて動作を行うと言うより

結果として丹田も感じられるようになる感じです。

この動作で、体幹と関係する筋肉が引き伸ばされ、

それによって体幹が鍛えられる感じです。

力を入れながら筋肉を

ゆっくり伸ばすと、筋肉を鍛えられるのです

スロトレと似ている気がします。

伝統楊式太極拳の合理性を良く表していると思います。

2021年1月16日土曜日

15抱虎帰山から16肘底看捶

 最初の正面に対して右斜め後ろ方向へ按したところからです

肘底看捶は、後ろから攻撃してきた相手をかわして按をし

ダメージを与え、腕をとって肘を決め相手をうごかし、

その後、相手の喉などを突いたあと

次の攻防に備える姿勢に入るという一連の動きの技です

以下、具体的な動作です

単鞭の途中までと同様な動作を行なって、最初の正面に対して右へ

按します

右足前の弓歩です

単鞭の動作と按まで一緒ですから、右足のつま先は

内側に入っていることに注意してください

(2017年4月15日の記事を見てください)

つぎに、左手は外旋、右手も外旋して

(相手の腕を両手で挟んだイメージです)

右足に体重をのせ、左足を持ち上げ

体重が乗っている右足のを左へ開いて

(その結果骨盤が左へ回転します。開胯の動作を

足裏をつけて行った結果、骨盤が回る感じです)

初めの正面から左へ左足のカカトをつき

体重を左足へ移動し

左足前弓歩になったら

ウエストを左へ回しながら左足にさらに体重を乗せ

右足を半歩寄せながら

左手は体の左へ移動しながら内旋して手のひら下

右手は内旋しながら、体の正面で手のひら下で抑えるように

次に半歩寄せた右足に体重を乗せながら

左手を外旋しながら、指先から右上腕の上を越えて

前に刺して

左足を持ち上げながら

左手を内旋させて小指側を前に立てて構え

同時に右手は拳にしながら外旋して、

左肘の下に拳眼が上で

もってきて

左足のカカトをつけて爪先を上げた虚歩になる


体の向きを変え、移動しながら、

複雑に両手が外旋したり内旋したりします

相手がそれによって影響される様子を

想像できると楽しい動作です

体重移動とウエストの回転、そして両手の纏絲

胯の回転によって 

相手に影響を与えるのです。