2022年7月31日日曜日

22海底針から23扇通背

 海底針からです

右足重心の虚歩からです

扇通背は、相手の腕をとって

別の手で相手の付け根を

押す技です

具体的には、

前に倒した上半身を右足重心の虚歩のまま

ゆっくりと垂直にします

両手は上半身といっしょに動きます

上半身が垂直になった時に

右手はほぼ肩の高さ

左手はウエストの高さくらいです

次に、左手は外旋しながら

右手の手首あたりに左手の手のひらを

指先を上に立てて

ウエストを右に少し回しながら持ってきます

そして、左足を持ち上げ

踵から前方に着地し

体重を左足へ移動しながら

ウエストを右に回しながら

右手は手のひらを内旋させながら

肘から折りたたみ

こめかみの横に持ってきます

左手は体重移動とともに

前方へ伸ばして、座腕を作りながら

弓歩の完成に合わせて推掌にします

扇通背の完成です


動作の意味は

海底針の右手の手首を相手は右手でつかみます

それをはずそうと右手を持ち上げます

右手の甲は相手の右手の外側です

それでも外れないので

右手を内旋させて相手の右手を捻りながらつかみ

引き寄せ

同時に相手の右手の付け根の

肩のあたりを左手で押します

相手は右手を固定されているので

押されることで大きなダメージを受けます




2022年7月9日土曜日

歩法と堤丹(ティータン)

 伝統楊式太極拳の練習に、未経験者が参加しました

それで、歩く練習をします

弓歩を作り、ゆっくり歩いて行きます

手順は、ローシーアオブーです

左足前の弓歩を作り、

開股(カイクワ)し

ウエストを左に捻って

左足にしっかり重心を移して

後ろ足が軽くなったら

ゆっくり後ろ足を前に移動させます

左足に重心がのった時には

上半身をカカトと股関節にまっすぐのせるのが

大切です

そして足を踵から床につけて

体重を前脚に移動して行きます

前足に体重をしっかり乗せるのが

未経験者には難しいですが

体幹を鍛えることができる

体にはとても良い動きです

この前足にしっかりのってから

後ろ足を前に移動させる時に

大切なのが提丹(ティータン)です

熟練者にとっても良い練習になります



2022年4月10日日曜日

21左摟膝拗步 から22海底針

 左足前の21左摟膝拗步 からです

海底針は、掴まれた右手を振りほどいて

相手の懐に右手を差し込む動作です

まず右手を振りほどく準備をします

左足にしっかり重心を乗せて

右手の座腕を緩め

右足を半歩寄せます

右足に重心を移動しながら

右手首を肘を折り畳みながら持ち上げます

この時、親指の付け根から、持ち上げるようにします

右手の指の方向は前方を向いています

右手が顔の高さくらいにきたら

ウエストを右に回します

顔は前方を向いたままです

左手はウエストと一緒に動いて

お腹の前にきます

左足を持ち上げて

左足をつま先から下ろして

つま先がついたら

虚歩の姿勢になって

ウエストを左に回しながら

上半身を股関節から

斜め前に低くしていきます

そして右手を小指側から

斜め前方に下ろしていきます

この動作で、体の前にあった左手は

体の前をはらって体の左側になり

下を抑えます

右手が一番下に来たら、右手の

親指の付け根をさらに少し持ち上げるようにします

これで海底針の完成です


動作の意味は、摟膝拗步で攻撃したところ

相手にそれを躱されて、上手く右手首をとられます

それを、半歩後ろ足を寄せて、右手首を持ち上げ

相手の手を外します

外れなかったら、さらに右手を打ち下ろして

相手の下腹部を攻撃します

相手に密着していくので勇気の必要な動きですね



2022年4月2日土曜日

18斜飛式から19提手上勢 、20白鶴亮翅 、21左摟膝拗步

斜飛式 から 提手上勢 、白鶴亮翅 、左摟膝拗步 です


まず、斜飛式が終わったところです

右足まえの弓歩です

右手は体の前で

左手は体の横です


斜飛式 から 提手上勢に移ります

後ろ足を半歩寄せます

同時に、右手は内旋して

右手のひらで

下を抑えます

後ろ足に体重を乗せたら

左肘を意識しながら

ウエストを左に回します

その後の動作は5番目の 提手上勢に

いたる動作と同じです

その後も、白鶴亮翅 、左摟膝拗步へ

のも以前の6番目と7番目と同じです


提手上勢になる動作では

相手が左手で打ってきたのを

右手で押さえて

相手の左手を

提手上勢で決めます

相手の左手の肘を

自分の右手

相手の拳を

自分の左手で挟んで

相手を抑える動作です













yっっゆみあいっし


2022年3月21日月曜日

伝統楊式85式太極拳を毎日続けて6年目

 6年目になりました。今年の冬は

気温がマイナス10度近くなる日が

あったり、大雪で近所の道は

除雪が追いつかず、

雪が踏み固められ、

信じられないくらい歩きにくくなりました

出歩くのがグッと減ってしまいました

コロナの蔓延もあります

それで太極拳はもっぱら家の中です

幸い、10数年前に、家に手を入れた時に

一階は、無垢のフローリングの

大きなワンルームにして、あまりいろんなものを

置いていないので、太極拳ができます

85式を中断しながらなんとかですが

ここ数日雪が急速に溶けたので

もう少しで近所の大きな公園にある施設の

自由空間で太極拳ができると思います




2022年3月4日金曜日

伝統楊式太極拳の弓歩と股関節

 先日、一緒に伝統楊式太極拳を

練習している方から

単鞭の弓歩について質問を受けました

バランスがうまく取れないので

弓歩を見てほしいとのことでした

ベテランの方ですので、横から見た姿勢は

ちゃんとしています

体の正面から見ると、左手の位置は

左足の内側にあり、問題ありません

右手が少し狭いように見えます

両足の幅も靴の幅ひとつ分で

大丈夫です

さらに、左足の踵と膝の関係も

前から見て、ほぼ踵の真上に膝があり

問題ありません

膝が内側に入ると膝を痛めやすくなります

気になったのは、左足の股関節の位置が

膝よりもほんの少し外側にあることです

股関節のところを左横から

「股関節がほんのちょっと内側にあるといいと

思うのですが」とちょっと押すと、簡単に

バランスが崩れました

ということで、これがバランスがうまく取れない

原因のようです

弓歩の横から見た姿勢は、チェックしやすいのですが

正面から見た姿勢も大切です

よく初心者にありがちな間違いは

左足前の弓歩で左の股関節が大きく

左側や右側にずれることです

結果上半身はやや左右に傾きます

その姿勢をしている本人は楽な

姿勢と感じますが、安定しない、

バランスのとりにくい姿勢なのです

しかも、弓歩の後ろ足が使えていない姿勢になってしまいます

この方は、これほどではないのですが

この問題があったようです

良い姿勢は、前から見ると

左足前なら左の股関節は左足の踵の少し

内側になります

こうすると、二つの足がアーチになって

しっかり体を支えている感じになります

後ろ足の膝は後ろ足のつま先の方向です

そう説明して股関節の位置に気をつけてもらうように

アドバイスしました

安定した単鞭になりました

2022年2月16日水曜日

太極拳と人間の脳

 太極拳を練習しているときに少し考えた人間の脳についての考えです。

人間の脳は、人類が生き延びるために必要な能力が備わっていると

考えられます。 

脳の優れた能力の一つとして物事の変化に敏感であるということがあると思います。

例えば、周りの様子でどこかに変化があれば、そこに猛獣が潜んでいる、あるいは

山崩れの前兆であるとか

それに敏感に気づくことは人類が生き延びるのに必要な能力だったような気がします

つまり人間の脳は変化にとても敏感だと思います

ところが、その変化があっても何事も起こらず、

ずっと変化しないとなると、それは気にしなくてもいいことになります。

それで、人間は飽きやすいとか、三日坊主になりがちになります

こうならないためには、脳のもう一つの能力の出番です

つまり、今やっていることの意味を良く理解して

出来たことに目を向けて、それを伸ばすことを

良く考えることです

そのためには、今やっていることについて良く

学ぶ必要があります

太極拳の場合は、その太極拳に

学ぶべき内容がある必要があります

傅清泉先生が教えている伝統楊式太極拳は

そうした内容が豊富です

しかも、動作が科学的で体中の筋肉が

相互に連関するようになっていきます

飽きない、しかも自分を育てることができる

太極拳です