2016年12月13日火曜日

攬雀尾の続き(3)


掤の姿勢の後です

こちらは右手前で相手の攻撃を
防ぎました
それに対して相手は押し返してきます
相手はおそらく左手前です
なので,両手は相手に触れたままで
右手は内旋しながら
左手は外施しながら
弓歩から体重を後ろに移動します
十分後ろ足に体重が乗ったら
腰(ウエスト)を左へ回します
相手の前腕に右手の親指の付け根あたり
左手の手の甲がぴったり付いているイメージで
腰(ウエスト)とともに回します
腰が45度くらい回ったら
腕だけがさらに少し動きます
以上の動作は足腰手です

うまくいけば相手はこれで飛ばされている

これが捋です

24式の捋では
右足の前に両手を出して相手の手を取りに行きます
講習会でこれをやったら早速
傅先生に「ハッハッハ」と言われ直されました
推手の動きと同じにするのだよと
ただ前腕の外旋と内旋だけだよと
この時,大切なことは肘は固定すること

確かに相手が推してこないのに相手の手を取りに行って
引っ張るという24式に説明は太極拳の動きとして無理なのですね

少林寺拳法の経験者の友人が24式のあの動作は無理だ
と言っていた理由が傅先生の指摘を受けて
しばらくしてからわかりました

2016年12月9日金曜日

攬雀尾(らんちゅうえい)の続き(2)


掤の姿勢についてのコメントです
この時,含胸抜背,命門を開く,が実現されています
と書きました

うまく作れているかどうかのチェックは
誰かに前の手を前方から押してもらうことです

例えば制定拳のような姿勢ですと
簡単に手は押し返されてしまいます
両手は少し丸く張りがある必要があります
このためには含胸抜背,命門を開く,が必要な
ようです
弓歩の姿勢も大切(前に書いたので読んでみてください)
うまくできていると
押された力は体の軸を通って弓歩の
後ろ足のかかとに届きます
自分では体を硬直させていないのに
相手の力を大地が受け止めてくれる感じです
この感じができている時は
含胸抜背,命門,虚領頂勁ができている
ようです
ちょっとおこがましいですが
楊澄甫の写真のイメージです

表演ではないので誰かが横から見て
姿勢がどうこうではなく
実際の効果で確かめることができるのでは
と思います
制定拳のように形だけ作っても中身がないと
そこからは太極拳の中身が生まれてきません

2016年11月16日水曜日

3攬雀尾(らんちゅうえい)の続き

攬雀尾(らんちゅうえい)の続きです

顔は,最初の正面から右を向いています
体は右向きよりはやや左へ回転
足は正面の方向に左足前の弓歩
左のつま先は正面より少し右に入れています
左手は肩の高さで肩の付け根の前方
あまり体から離れてはいけない
むしろ狭い感じです
左手の手のひらは少し外旋
右手は腰の横あたりで右足の膝の方向
右手は内旋して手のひらは下

これは別の敵が最初の正面の右にいて攻撃をかけてくるのに備えています
なので左手は体の前方向に真っ直ぐ出している感じです
敵は(たぶん)左手で打ってきます
左足に体重をさらに乗せ
右足が軽くなるので,右足を持ち上げながら
右手も前方に出すような感じで持ち上げ
左手は外旋して腰(ウエスト)を左に回し,
(たぶんこの辺りで相手の攻撃を受けて攻撃を左へそらすように動いている)
さらに両手を左へ回します
以上は足腰手の順です

次に,反撃に移ります
左手は内旋,手のひらを少し起こして前方へ向け
右手は外旋して
左足に体重を乗せたまま右足を前に出し,
そして足腰手のタイミングで右手が前で
その後ろに左手を置くような感じで右足前の弓歩を作ります
相手を右腕の前腕を使って押し返してます
掤です

左手は右手に接していません
右手と左手は水平よりも指先が少し上になり
互いに交差する感じです
弓歩が完成した時には両手と肩甲骨周りの筋肉が
一緒に前からの圧力を押し返している感じです
これが掤の姿勢です(合ってるか心配)
この時,含胸抜背,命門を開く,が実現されています

2016年10月31日月曜日

前腕の回転、外旋と内旋

前腕の回転は幾つかの種類に分かれそうです

一つは相手に力を与えるときに
肘を固定し前腕を軸(肘から指先までまっすぐに串を刺した時の軸)にして
手首を外旋あるいは内旋させる動きです
内旋とは親指が内側に入る回転
外旋とは親指が外側に回る回転

これは攬雀尾の右手前の掤のときの右手にあたります
右足を上歩するタイミングで胸の前に来た右手を
外旋させて,弓歩を作りながら前方に前腕を
張り出す感じです
前方の相手に力を及ぼしています

単鞭のときの左手は弓歩を作りながら
内旋させます
その他いろいろな動きの中に
前腕の回転があります

倒巻の時には前の手の動きですね
左手が前の時は,手のひらは伏せた状態から
(24式は逆に手のひらが上ですね)
体が後ろに動いて
顔の横に来た右手が前に出るのと
一緒に左手前腕を外旋して左足の付け根に
向かって左手の肘を意識して引いてきます
おそらく左手は相手に捕まえられていて
左手の前腕の回転でそれを振りほどいて
逆に相手の手を捕まえているのだと思います
24式のような手では相手に捕まえられて
決められていて動けない気がしますね

いずれも小さな動きですが
大切なようです

この動きを意識して練習を続けると
やがて腕全体が何か少し張りのある膜で覆われて
いるような感じがしてきます
これには座腕も大切です
こう感じるのに,僕は1年くらいかかりました
最近身体中が張りのある膜で覆われている感じがして
きています
制定拳を練習していた頃にはなかった感じです
85式楊式太極拳の成果のような気がします

2016年9月29日木曜日

腰(ウエスト)の回転と前腕の回転

今年の85式の講習会で
印象に残ったことの一つが
腰(ウエスト)の回転と前腕の回転を
大切にということです
これがないと太極拳の中身がない
という趣旨のことを言われていました
これを正しく行っていると
体の中に充実したものを
感じられるのだと思います
これは毎日の85式の繰り返しの中で
感じているものです

腰(ウエスト)の回転については
以前にも少し書きました
注意しないといけないのは
腰というと日本では骨盤になってしまうことです
骨盤と腰の動きは別で
別々に動くことが大切です
つまりウエストをひねる動きです

たとえば摟膝拗步(ろうしいあおぶう)では
足腰手の動作の結果
弓歩で骨盤は少し斜めなのに対して
肩は弓歩の方向に対してほぼ直角で
その途中のウエスト(中国でいう腰)
はひねられています
この姿勢は制定拳では
やってはいけないことになっています

前腕の回転については後日書きます

足腰手を様々な動作の中に位置づけて
練習を繰り返していますが
最後の手の動作も体の中の充実感に
大切なのだと感じるようになってきました

毎日の85式が楽しい日々です

2016年9月14日水曜日

足腰手

攬雀尾の続きに入る前に
足腰手について

今年も傅清泉老師の講習会に参加できました
とても勉強になりました
同じことを聞いても
こちらの練習の積み重ねで
理解が深まる気がします
そんなことの一つが
足腰手です

傅先生は動作の時に
「足腰手」と号令をかけます
それを聞いて、自分のタイミングを確認します
どうして足腰手が大切なのか

足の動きを下から手まで伝える
ということもありますが
「腰を回して手」への動作に大切さがあるようです
(中国語の腰はウエストにあたります
この辺混乱の元のようです
制定拳では腰というと骨盤のことになっています
24式の講習では
ウエストはひねってはいけないと言われました
腰痛というと骨盤の痛みではなく骨盤の少し上
の背骨の周りの痛みを言いますね
中国語の腰はこの辺り全体を言うようです
読みにくくてすいません)
これは講習会以降、85式の練習で
足腰手と頭の中で号令をかけて動作を行うことで
実感してきました

腰の動きでお腹の中が動かされて
充実する感じがします
これ健康にとても良いのでしょう
体幹を鍛える方法の一つでしょう
逆に体幹が鍛えられてくると
この充実感が強くなってきます

大切なのは弓歩の時に
提丹(ティータン)円襠開胯(エンダン カイクワ)
を意識することです
足腰手の中で
次第に弓歩が完成する感じかなと思います

そして、練習を積み重ねて感じてきたことは
足腰手は楊式太極拳の大切な内容なのではということです
楊 澄甫の発勁は動きが小さいが
威力は大変大きかったという話がありますが
その秘密には足腰手があるような気がします
足とともに背骨の周りには大きな筋肉が付いています
それを動作の中でうまく使う練習が
足腰手なのではと思います



2016年9月1日木曜日

2起勢から3攬雀尾(らんちゅうえい)(85式楊式太極拳のメモ)

起勢の終わりで,両手を座腕にして
下に降ろしたところからの続きです

次に攬雀尾に入ります

これは、正面の相手からの攻撃をかわして
反撃し、さらに右からの攻撃をかわして
反撃します
伝統楊式太極拳の動作の基本的な
動きが詰まっています

まず,右足を開胯しながら(右足のかかとを軸に、つま先を開きながら)
体重を右足に乗せる
同時に右手を持ち上げ前に伸ばします
左手も少し持ち上げます
右足に体重が十分乗ったら
骨盤を動かさないで,腰(ウエスト)を右に回し
これといっしょに右腕は肘から折りたたみ
左手もさらに持ち上げ
左足を持ち上げ(この時,左足は放鬆(ふぁんそん)と言われた)
腰の回転によって体の前にあった右手も
左手も体と共に回転し(この時,左手の指先の
向きを少し左に回し,親指の付け根を意識する)
ます
次に、右足を緩めて,左足を前に出し
左足かかとからついて
左爪先を少し内側に入れ
体重を移動して,左弓歩にします
左手は少し外旋して少し高く,右手は左手の上に出して弓歩を完成します
正面の相手を左前腕で押し返してます
左ポン(掤)の完成です

そのあと、上体は右を向いて、右手は内旋しながら体の右側へ低く,
左手は少し外旋して体の左側で水平よりやや高くなる
顔は起勢の時の正面に向かって右を向いている
骨盤の向きは左側が少し後ろになった斜めに
腰(ウエスト)は骨盤よりも少し左に回転する

うーん,文字にすると複雑ですね
あってるか自信がありません

とにかく動作は
足腰手
の順番です

続きは後日